『競馬 スーパースター列伝』



~岩田康誠編~

「松田さん!すみませんでした…このとおりです」

「しかたないよ、斜行が相手だもの」
「松博ちゃん、もっと怒れよ!」
「岩田のせいで、せっかくの直線で加速せずして、負けたんだ!」
「そうだッ、そうだ!」
「そもそも、どんな妨害かしらんが、大事な直線手前で失速したりするのがまちがっとる!」

「(ウヌッ…いまだに執念ぶかく、おれを田舎者よばわりして憎むフアンどもを
 宝塚記念1着についた実力でだまらせたのに、また攻撃の口実をあたえてしまった!
 そ、そして、ライバル武さんにも大きな借りができた!!)」

のちに順位はエイシンデピュティの進路妨害で降着と裁定されたが、
約一か月後の11月25日、アドマイヤムーンは舞台を東京に移してのジャパンカップで
サムソン・バルクらと激突!

「賞月」アドマイヤムーンは、まさに獅子奮迅の大暴れ!!

「(チキショー!!馬が…馬が掛かりやがって先行策で戦ってるみたいだ!
 し、しかしなにがなんでも王座を奪い返してから…
 あのとき失速した原因が、どうしようもない事態だったことを…
 松田さんとフアンどもに説明してやる!!さもなければ負け、弁解!)」

『アドマイヤムーン、ふたたびGIホースに返り咲く!!
 そ、それにしてもきょうの岩田の騎乗ぶりはゾッと鬼気せまる、すさまじさでしたッ!』

「(………借りを返せた!)」



根岸S

「穴党の予想どおりだッ…
 ビッググラスって野郎、ただの上がり馬じゃなかったぜ!」

「ダート重賞挑戦のチャンスをつかむまで、じっと条件馬でがまんしてやがったのさ!
 みろッ!やつの血統表の父と母の名前を…
 父エルコンドルパサーはダート適性を、ドラゴンリリーはスプリンターをあらわしとる!
 実績のない鞍上とみくびったのが、わが吉田一家の失敗…」

一年後

「よーしッ、わしだって元気だぞ!
 きょうのレースには年下の競走馬も、おおいことだし、
 一昨年の3着馬トウショウギアが、まだまだおいぬところをみせてやる!」

「ウッ…ウ~ン!」

ああ~っ

「親父ッ!!」

「手おくれでした…右第2指関節脱臼(予後不良)です」

ウワアアア

「隼人…
 おれが昨年勝てなくて…親父は陽気にしていたが、
 やはり心の底では淋しかったんだ。
 だ、だから雪で不良馬場になってるのに、
 逃げなどやらかし脚に負担をかけるなんて…
 いま考えるとムチャなまねをして勝ちたかった…」



ああ、しかし―
幸福の絶頂から、不幸のドン底に突きおとされる運命のイタズラが
新婚の池添をまっていた!!

「トールポピーは鼻出血を発症したので、出走を取消する!!」



[外]スチューデントカウンシル
「ヴァーミリアン、おまえに優勝はさせんぜ!
 なぜって、おれに日本競馬会のある幹部が約束した特別ボーナスがフイになっちまうからな…」



ポルトフィーノ
「ああーッ、どこまでツキがないんだ!?
 せっかくGIで、はじめて、おれを出走させてくれるレースとめぐり会えたと思ったのに!」



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