『美味しんぼ バトル・ロワイアル編』
ベストセラー効果でこの当時よく見られた殺し合いSSのように見せかけて結構ひどい作品



第1話「慰安旅行暗転」


栗田「今日は皆で慰安旅行です。表向きは取材なんですが、例によって取材に必要だと言って
   知り合いのほとんどを連れて来ちゃいました。
   このまま温泉にでも行って、究極のメニューには適当に温泉まんじゅうでも
   持って帰れば問題ないだろうと思います。がっかりしたでしょ?」


(バスの中)

山岡「はあ~あ、それにしても社主もバカだねえ。こんな簡単に騙されるなんて」

富井「こら、何て事を言うんだ!」

山岡「何言ってるんですか。自分だってヒトシを連れてきてるというのに…」

富井「あ…それは…。まあいい、今日は徹底的に楽しむぞー!ケケー!」

栗田「山岡さん、おむすび作ってきたわよ」

山岡「そうか。…でも俺は今眠いから後にしてくれ(ふわあああ)」

栗田「まあ…。と、思ったらみんな眠ってるわ。修学旅行の帰りじゃないんだから…。
   あら、私も眠くなってきたわ…(ZZZ)」


(廃ビル)


山岡「う、うーん…。ここは…どこだ…?」

栗田「誰も、ここに来るまでの間覚えてないの?」

中松「本官を誘拐するとは何という奴!ブタ箱に放り込んでやる!」


(騒然とする場内)


?「皆、静かにしろー!」

山岡「誰だ?!」


カッ!(ライトのつく音)


山岡「社主?!局長?!それに局次長まで!」

大原「まったく、こんな事だろうと思ったよ。取材の許可をもらって皆で温泉旅行とはね。
   お前らのような奴がわが社にいるから、部数が帝都に負けるのだ。
   …という訳で、諸君には、ちょっと殺し合いをしてもらう」

山岡「何?!」



第2話「美味しんぼ再生計画」


大原「この漫画はダメになってしまいました」

栗田「どうして敬語なの?」

大原「もはや今の登場人物たちでは立て直す事は不可能です。
   そこで登場人物を完全にリストラしてしまうしか残された手はないのです!
   もちろん我々とて鬼ではない。最後に残った1人には続投の権利が与えられる」

近城「そんな無茶苦茶な話があってたまるか!大体登場人物のほとんどをリストラするなんて聞いた事ないぞ!」

小泉「ふん、君は初期の『キン肉マン』を知らないのかね。これだから貧乏カメラマンは困るな。
   アレも実は皆で殺し合いをさせた結果なのだよ」

京極「何やて!わしらを猛虎星人やオカマラスと一緒にする気かい!」

小泉「そうして、物語は特撮のパロディから超人プロレスへと路線変更。その結果
   『キン肉マン』の単行本はベストセラー。本だけではなくテレビ化、いや、映画化も夢ではなくなり、
   町ではキン肉マンの人形やお菓子だって売り出され、子どもたちはそれらを持って
   キン肉マン音頭の大合唱、原作者たちは連日のテレビ出演で大忙しとなったのだ」

山岡「何か違うぞそれ!どこかで聞いた事あるし!
   それに俺たちだってアニメ化や映画化されてるじゃないか!II世だって…」

谷村「いい加減にしないか!…とにかくこれは決定事項だ。君たちに拒否権はない」

三谷夫人「…信じられない…。あの温厚な局次長が…」

荒川夫人「はっ!そういえば、副部長は?!」


谷村「富井君ねえ…。最後までこの計画には反対だったんだよ…。
   部下思いの上司を持って君たちは幸せだったよ。悪いとは思ったけど邪魔だったから…」

(人間くらいある大きな袋を取り出す)

栗田「ま…まさか死っ…!!?」



第3話「第一の犠牲者」


谷村「一足先にリストラしたよ。(袋を開けて)ほら、これはスピリッツの早刷りなんだが
   富井君がこのページの後ろの方に小さく写ってるだろう?」

ブラック「し、信じられないでゲス…。『美味しんぼ』の真の主人公とさえ言われた富井副部長が
   『ガチ』(注・「スピリッツ」に連載中の格闘技マンガ)でただの名もない観客になるなんて…」

大原「殺し合いと言っても本当に死ぬ訳じゃない、他の漫画に異動するだけだ。
   結果的にもっと出世できるかもしれんぞ…運がよければな」


広原「そ、そんな。俺はまだこの漫画にやり残した事がたくさ…」

大原「やかましい~~!お前の言い訳なんか聞く耳はもたーん!(パカーン!)」

広原「ぐわぁ~っ!」


まり子「ああ!大原社主の投げた湯呑みが当たった広原さんの体が消えて行く!」

栗田「リストラされたんだわ!」

団「たったあれだけのダメージで(美味しんぼからは)抹殺されてしまうなんて…!」

大原「…悪い。わしが殺しちゃ反則だよな」

山岡「っていうか、あいつまだ居たのかよ!」



第4話「奇跡の五十音順」


大原「という訳で、とっとと開始するぞ。今からルールの説明をする」

ビデオスイッチオン


上村次郎「どうしてキャラ同士に殺し合いをさせるか知ってるかい?」

田村たまみ「大幅なリストラで作風をガラッと変え、人気の回復をはかりたいからでしょ?」

上村「おお!君は若いのに似合わずよく知っているねえ!」

田村「まかせといてください!」


山岡「(こっ、こいつら…。主人公の俺がリストラの危機に遭ってるというのに、
   何でこんなマイナーキャラがのうのうと生き残れるんだよ……)」


田村「それでは、ルールを説明しまーす。面倒なので中略しまーす。
   で、皆さんには、出発の際、一人一つずつこの荷物が支給されまーす。
   中には水と食料、地図、コンパス、そしてランダムで何かが入ってまーす。
   何が入ってるかはお楽しみ、今度天ぷらのコツも教えて下さいねー」

三谷夫人「何なのよあの娘は!」

田村「では、出席番号(?)順に2分おきに読み上げますので、
   呼ばれたらさっさと出て行っちゃってくださーい。男子1番、荒川精作くん」

荒川「ひっ!僕?!」

小泉「さっさと行け!」

荒川「ひぃぃぃ!(荷物を持って出発)」

田村「女子1番、荒川絹江さん」

荒川夫人「待ってあなたぁぁぁ!(出発)」

山岡「ふむ…、夫婦だと当然呼ばれるのが近いから合流しやすいな。
   一人でいるより二人でいた方が安全だな。俺も栗田さんと…栗田さん?」

田村「女子5番、栗田ゆう子さん」

山岡「しまった!夫婦別姓だったんだ!しかもその次は…」

田村「男子6番、海原雄山くん」

山岡「よりにもよって雄山かよ!和解の為にって彼女が呼ぶから…!」

海原「ふふふ、彼女と合流するのはこの私だ。残念だったな士郎」

山岡「お前らやっぱりそういう関係だったのかよ?!」



第5話「伏兵現る」


田村「女子6番、滝川竜子さん」

滝川「ハ、ハイッ!(タタタタタタ…)」

山岡「俺はまだまだ先だな…」

田村「男子7番、金上鋭くん」

山岡「え?」

大原「彼はわしが呼んだ。特別参加としてな。
   キャラがキャラだけに、いい仕事をやってくれると期待しておる」

金上「ふふふ。これで優勝して堂々レギュラーとして再登場してやる。
   俺は他人を蹴落とすのに何のためらいもないからな」

山岡「またそんな事言ってあっさりやられるんでしょ。わかってんだよ」

金上「きっ、貴様ァ…」

谷村「さっさと行かないか!この場で他の漫画行きにしてやってもいいんだぞ!」

金上「ひいっ!(ドタドタドタドタ…)」


大原「所詮、ヘタレはヘタレか…」

小泉「社主、自分で呼んでおいてそれですか…」


田村「女子16番、三谷典子さん」

三谷夫人「は、はいっ!」

三谷「の、典子ぉぉぉ!」


小泉「これで女子は最後か。意外と少なかったな。というか、男キャラの方が味のある奴が多かったから
   元ネタと同じ42人じゃ足りなかったんだな。本当はアーサーとかも入れたかったんだが…」

松川「局長、誰に言ってるんですか?」

小泉「うるさい!お前なんかには知らなくていい事だ!」


田村「男子17番、中川得夫くん」

中川「せ、先生!チヨぉー!(ダダダダダダ)」

田村「男子18番、中口新介くん」

中口「うぐぐぐぐぐ(書き文字)」

山岡「へえ、中口君って新介って名前だったんだ。
   というかカゲ薄いから苗字すら忘れられてたりして…」


田村「男子22番、丿貫くん」

山岡「へ、丿貫?!何でこんなところに?!」


丿貫「風に聞いておくれ」



第6話「ゲーム開始」


山岡「くそ、俺最後じゃねえか。これじゃ展開が先に進まないよ!」

田村「男子26番、山岡士郎くん」

山岡「…ようやくか」


―――その頃、広原は。

広原「んー、俺はどうしたんだ…?そうか…やられたのか…?
   畜生、日本3まゆなしの一人と言われたこの俺が…。
   あ、向こうに明かりが見える…新しい漫画の入り口か…?」


パアァーッ(光に包まれる)


広原「うぅーん、どこだここは?…あっ、人がいるぞ」


犬夜叉「お前が噂の胃袋怪獣か!」

弥勒「この妖怪め、退治してくれます!」

広原「えっ、お、俺の事か?!いや、確かに大出世かもしれないけど…。
   あっ!やっ、やめてーーーっ!」


――――ぐしゃ。


山岡「そんなシーンいらないから、早く行かせてくれよ!」

(支給された荷物を持って出発する山岡)

山岡「ふう、ようやく外に出たぞ。とりあえず、かなり時間が経ってしまったけど
   栗田さんを探さなきゃ…。ん?あそこに誰か倒れている?」

(タタタ…)

山岡「こっ、これは……三沢さん!ひどい…すでにやられている…。一体誰が!?」

(辺りを見回して)

山岡「ん?これは薬味皿…。それもご丁寧にネギとワサビまで!これをぶつけられたのか!」


ヒュッ!


山岡「うわっ!」


カラカラカラーン…


山岡「や、薬味皿!…誰だ!!」

?「山岡さん。悪いけど、何としてでも僕は生き残るんだ!」


山岡「ジェ、ジェフ!!」



第7話「男の友情」


山岡「ジェフ!君のようないい人間がなぜ三沢さんを!」

ジェフ「(ちゃんと中尾隆聖氏の声で読んで下さい)
    この気持ちは山岡さんにはわからないよ!
    ただの一キャラとして登場していればよかったのに、
    なまじ実在さんと一緒になってしまったが為に
    大不二さんが亡くなってからはまったく出番なし。
    アーサーの方がよっぽど活躍してるじゃないか!
    せっかく浮上のチャンスを与えられたんだ!絶対に勝ち残ってやる!」

山岡「すまない、君がそんなに思い詰めていたなんて…。
   もっと早くに気付いていれば、結婚式くらいには招待したのに…」

ジェフ「ていうか呼べよ!もうあんたなんか友達じゃないよ!(シュッ)」

山岡「危ない!」

カラーン

山岡「(まずい、ジェフは本気だ…。しかも薬味皿は何枚でも持ってそうだ。
    何とかして注意を引き付けないと…)

コマンド?
┌───────┐
|  まどをのぞく  |
|  さわぐ     |
|  とをたたく    |
|→うそをつく   |
└───────┘

山岡「あーっ!こんなところにシマアジが落ちてるぞ!」

ジェフ「何だって?!」

山岡「よし、今だ!」(ダッ)


三谷「山岡さん!こっちだ!」

山岡「三谷さん!」


(ダダダダダダダダダ…)


ジェフ「あっ!」



山岡「ハアハア…。た、助かったよ三谷さん」

三谷「何を言ってるんだ、友達じゃないか」

山岡「そうか…そうだったよね。最近全然付き合いがなくてすまなかった」

三谷「ホント一言多いよね、山岡さん」


山岡「それはそうと、三谷さんはどうしてあんなところに?」

三谷「三沢さんが倒れてるのを見て、慌てて身を隠してたんだ。
   一人じゃ心細かったんだけど、女房はもうずっと前に出発してるし。
   そしたら、山岡さんが襲われてるのが見えたから」

山岡「ま、お互い配偶者に逃げられたもの同士として、仲良くしようじゃないの」

三谷「間違ってはいないんだけど何か腹立つなあ…」


山岡「そういえば、まだ何が荷物をチェックしてなかった。三谷さんは何が入ってた?」

三谷「フライパンだよ。誰のかはわからないけど、卵専用って書いてある」

山岡「そうか、誰のかはともかく、武器としては結構当たりなんじゃないかな?
   もっともこの世界では、湯呑みや皿でも充分人が倒せるから、あまり意味ないけど…」

三谷「『武器としては』って、きわどいセリフだなあ。で、山岡さんは?」

山岡「俺は…」


(ガサ…)


山岡「生ハムだ!!」


三谷「生ハム?!それでどうしろって言うんだ?!」

山岡「本当に、肉の食い方については、日本は、フランスには及びもつかないのさ」

三谷「だから何だよ!」


(未完)



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