競馬 スーパースター列伝
『半弟の意地!ニュービギニング』


「このサンツェッペリンとニュービギニングのチームには、
 まずサマー2000シリーズを狙わせるべきだ!」
「賛成、距離もいい」

「血統と安さをかねそなえた数万ドル・チームが誕生するぞ!」
「まだ二頭とも若い。サマーシリーズで経験を積ませてから
 古馬GIを狙わせても遅くないからな」

「…という方針がまとまったのだがな。どうだい、二頭の意見は?」
「そいつはいいッ、最高だ!!
 ぼくとビギニングの大舞台での対決をフアンは喜ぶが、
 ぼくにすればビギニングとオープン特別でワンツーを決めているときが楽しいしね!」
「ツェッペリン、よくいってくれた。で、ビギニングの方はどうかね?」
「せっかくですが斎藤さん、そしてツェッペリン…
 このニュー・ビギニング、あくまで花より実をとりたい!
 つまりGIIIの人気ワンツーよりも、世代最強の馬ダービーの王座を!!」



「やいッ、この七光りのチビ公!
 おれを相手にするなんて生意気さを、これからたっぷりこらしめてやるぜ!」

「ビギニング、ちょいとムリじゃねえのか!?
 おまえさんと、その“セキグチ”のフサイチホウオーの野郎とじゃ、
 まるで大人と子どもの体格差だぜ!(70kg差)」

  おれはチビでも、あくまでGIの日本ダービー王座を狙ってやる!!
  野望に燃えるニュー・ビギニングは、みずから試練の道をえらんで
  「クラシック10番勝負」を開始――
  まずむかえうったのが実力派の巨漢“セキグチ”フサイチホウオーであった!

「ムリすんな、ビギニング!もともとおまえさんの実力は準・オープン級なんだ!」
「イヤだあ、カッコわるい!」
「せっかく良血な彼のフアンになったのに夢がこわれちゃうわ!」

  0.4秒差4着で掲示板に載ったものの
  試練の「クラシック10番勝負」はスタートから前途多難……

「なあ、ビギニング、強い相手とやると、
 自分の追い込みがビシッときまらんからカッコわるくみえるだけだ。
 共同通信杯で、きみは多くの競馬フアンを失ったぞ」
「カッコなんか問題じゃありません。人気も」
「わたしは、きみを、あのオンファイアのように
 良血で牝馬にも人気のある種牡馬にしたかったのだが…」
「たしかにオンファイアは全国一の人気馬の全弟でしたが、ツキがなかったばかりに
 屈腱炎を発症し、競走馬として最悪のハジをかかされたじゃありませんか」

(その後)

「ツェッペリンは皐月賞2着……決定的に差をつけられた!」<完>


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